私はコーチングをサービスとして提供する立場です。どのような経営者がどのような時期にコーチングのサービスを受けるのが適切と考えられるのかということを記事にしたいと思います。
大企業の経営者
元GEの名経営者であるジャック・ウェルチは数名のコーチをつけていたのは有名なところです。特に面白い逸話としては、20代の若い人をコーチにつけていたということです。
これはどれほど名経営者と言われる人でも、ビジネスマンとしては自分とは比較にならないほど経験がないコーチだとしても、様々な視点から自分の考えを広げていくためにコーチからコーチングを受けることで、新しい何かを手に入れようと考えているからとのことです。
大企業の経営者であればあるほど、失敗が許されないという中で、新鮮な視点を常に取り入れておかなければ、保守的になってしまうのではないでしょうか。
その意味で大企業の経営者は自分のビジネスの利害関係がないコーチとある程度定期的にあって、思考をリフレッシュするのがとても有効であると言えます。
中小企業の経営者
中小企業の経営者の多くは、自分または家族が事業を立ち上げた場合が多いでしょう。また、そうでなくとも、元々やっていた事業から違ったことをするというのが難しいことが多いと思います。
私の会計士・税理士としての仕事の多くは中小企業の方々をお客様としていますが、中小企業の経営者は、ありとあらゆることを行っていることが多く、何に忙しいというのを特定するのが難しいほど忙しくされている方が多いです。
会社としても何に忙しいのかわからないけど、みんな忙しい感じがするのに、必ずしも利益がめちゃくちゃでて儲かっているわけではないという状態も多いです。
私は、中小企業の経営者は自分が何を会社でやるのか、ということを明確にするためにも、事業計画を作る前にコーチングを受けてもらえるといいのではないかと思います。中小企業で中期経営計画をしっかりと作られている会社は多くないと思いますが、中期経営計画を立てる前にコーチングを受けて、数年というタイムスパンで会社がどうなっていたいのか、そして自分はどうなっていたいのか、というのをコーチングを通じて明確にしていっていただけるのが良いと思います。
会社が経営者の理想とする形に進んでいくようにするためには、まず、経営者の理想が明確である必要があります。自分が税理士もしていていうのも憚られるのですが、単純に税務顧問を行っているだけで、税理士が簡単に提供できるようなものではないです。もっと明確に経営者の心の底だけでなく、今時点で経営者が思っている以上の思いを固めていって、そこへの道筋を歩めるようにする、コーチングを受けられれば、会社のメンバーもハッピーになり、経営者もハッピーになれると思います。
起業したばかり/起業前の経営者
なるべく早くコーチングを受けることをお勧めします。
会計士・税理士の仕事として事業計画策定を起業の時点で支援することがあります。しかし、起業してどうなりたいのか、そのために何をするのか、という部分がガチガチに明確になっている人は少ないです。
正直、私が会計士・税理士として独立開業するときも、ふんわり起業だったと思います。しかし、今、コーチングをビジネスにするに際しては、私自身もコーチングを受けています。新ビジネスを何でやりたいのか、どういうサービスをしたいのか、どういう自分だからそのサービスができるのか、その結果どうなりたいのか、というところを深掘りしていっています。
心の底から、自分の起業について納得していて、将来まで描けているという方は、コーチングを受けるとさらに前に進めるのではないかと思います。それ以上に、少しでも起業しているビジネスに迷いがある場合には、コーチングを受けて、自分の起業像を一度、がっちりと固めるとよいと思います。
まとめ
経営者である以上はある程度孤独な状態になります。その中でコーチは独立の立場で、クライアントを全面的に支援します。コーチの支援は具体的でないとも言えますが、正確には、クライアントの具体的でない将来像やそこへのプロセスを具体的にするのが支援内容だと考えています。そのため、経営者という会社の舵取りをする方々が、自信をもって舵を切っていく、その瞬間と考えらえるときに、コーチの存在が有用だと理解しています。
さらに、私の場合はコーチングの結果出された結論を、引き続き、会計士・税理士として、専門職として引き続きサポートしうるというのがセールスポイントです。